日本の木造住宅の平均寿命は約26年と言われています。
米国では約45年、英国では約75年なんて言われています。
なぜか日本の建物は、欧米諸国の半分から三分の一くらいしかもたないようです。
それでも26年ですから、26年間のライフプランをしっかり計画した上で家づくりをしなくてはいけません。
子どもの誕生→入学、歳を取ってきた親の面倒、そして子どもの就職と独り立ち、と言ったように、その時々にあわせたそれぞれの生活スタイルがあるわけです。
子どものためにと小さな部屋づくりをしたことによって、子どもが独り立ちしてしまった後の部屋の使い道が物置になってしまうだけでなく、親と同居することを視野に入れておかなかったせいで、増築せざるを得なくなったり、建て替えしなくてはならないこともあります。
こんなことにならないように、しっかりと計画を立てることが大事なのですが、やはりそこは素人。
そんな先まで考えられませんよね。
仮に考えられたとしても、家の造りをどうすれば良いのかまでは分かりません。
だからこそプロである住宅メーカーの力が必要なわけです。
先々のプランを長い目で見ることが出来るかどうかが住宅メーカーを選別する基準と考えて良いでしょう。
ご主人の父親が他界
もし10年後にご主人の父親が他界して、母親の面倒を見るために同居することになったことを想定してみましょう。
同居する母親は、奥さんから見れば姑です。
正直なところ、できれば一緒に居たくないと思う人の方が多いのではないでしょうか?
でも、もしそうなったとしたら、キッチンやダイニングは別にしたいと思いませんか?
しかし、姑と同居することをはじめから想定しているわけではないので、キッチンやダイニングは一階にしかありません。
かといって、歳を取った姑の部屋を二階にするのはちょっと難しい…。
「年寄りいじめだ」とか陰で言われる可能性もあります。
じゃあどうすればいいのか?
そうなった時のために、あらかじめ二階にダイニングキッチンになりうるべき部屋を想定しておくのです。
そしてそこには将来キッチンが来ても良いように、排水と給水給湯設備を施工しておくのです。
これを後でやるのとやらないのとではリフォーム費用に大きな差が出ます。
ダイニングキッチンになりうるべき部屋は大きさから見て10畳程度は欲しいですね。
と言うことは夫婦の寝室でも良いのではないでしょうか?
夫婦の寝室にキッチンがセットできれば、ベットはあきらめてダイニングテーブルを置いて食事が出来ます。
置き方次第でリビングにもなりますね。
10年後ともなれば、小学校五年生の子どもは20歳になります。
独り立ちしてもおかしくない年頃です。
その下に長女がいたとして、18歳前後になると考えてもそろそろ独立できそうな年頃。
今まで二人に子ども部屋として与えていた空間を思い切って壁を取り除いて大きな部屋にして夫婦の寝室兼書斎にしたいと思うのは普通です。
ところが、元々子ども部屋として小分けして建築した家のため、壁を取り除くことによって家の強度が著しく落ちてしまう可能性大です。
そんなことにならないように、はじめは小分けしないで大きな部屋として作っておいた方が良いのです。
そして子どもの成長にあわせて間仕切りをしたり、物入れをおいたりして子どものプライバシーをそこそこ守ってあげるようにした方が、子どもが独立した後の部屋の使い道が多様化するわけです。
あくまでも一例ですので、この方法が良いと言うことではありませんが、先々のライフスタイルの変貌を先読みしたプランをしっかりとアドバイスできるような住宅メーカーを選ばないと、結局10年後や20年後にとても高く付いてしまうことを忘れないようにしてください。
つまり顧客の現在のニーズに沿った家づくりしかできない住宅メーカーは「提案不足」と言うことです。
顧客の今持っているニーズの先に潜む可能性まで見据えてプランの提案をする必要があるのです。
建売住宅を検討する際も同様に、未来のニーズまで予測して選ばないといけないので、出来上がってしまった間取りから選ぶとなると、さらに選択肢が狭まることになります。
安いからとか、立地場所が良いからと言うことだけで選ぶのではなく、後々のことまで考えて検討する必要があるわけです。