住宅知識

欠陥住宅より怖い欠陥環境を防ぐ将来を見据えた土地探しが重要

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既に古くからその土地に住んでいて、建て替えをしようと考えている人ならそんなに神経質になる必要はないのかも知れないが、これから土地を探して家を建てようと考えている人は、この「欠陥環境」に十分注意して欲しい。

ここでは「欠陥環境」と呼んでいるが、つまりは近隣環境での「心理的欠陥」で、近隣トラブルに発展する可能性が高い大きな問題のことだ。

これは先日相談をもらった人の話

実談

これまでは国道に接する大型賃貸マンションに住んでいて、夜通し走る自動車の騒音に加え、上下左右の住民騒音も重なり、かなり心労状態だった。
そこで、静かな住環境を求め不動産を購入することを決意。
駅から歩ける距離でなくとも静かさを優先して、いくつかの不動産業者に探してもらった。
そこで良い物件を見つけてもらい購入した。
一日を通じてとても静かで、今までのマンションは、夜テレビのボリュームをレベル40にしても聞こえにくかったが、今は25でもうるさいくらい。
近くに住む方々も年配者が多く、小さな子どもが騒ぐ声もほとんど聞こえないほどだった。
住み始めて3年目のこと。
道路を挟んだ斜め向かい側にお住まいの老夫婦が亡くなった。
間もなく長男夫婦が住む事になったらしいのだが、半年後その家の解体工事が始まった。
そして30坪ほどの敷地に戸建て住宅が2棟建った。
ぎゅうぎゅう詰め。
建売かと思ったら賃貸住宅だという。
長男夫婦は大家さんになったのだ。
しかし1年経っても誰も入居する気配がない。
駅から歩ける距離ではないので車は必要だが、駐車場が無いに等しい戸建て賃貸。
近所に駐車場も無く、これでは借りる人がかなり限定される。
そんなときに突然引っ越してきたのが派手な若夫婦。
今時の若者なので、引越の挨拶は無し。
日中も雨戸を閉めたまま。
その日の夜23時をまわった頃に、庭でどんちゃん騒ぎが始まった。
若者数人が集まって音楽を流して騒いでいる。
その騒ぎは3時頃まで続いた。
通報しようと思ったが、引越祝いなのだろうと、今回は通報しないことにしたが、次回同じ事が起こったら通報することにした。
そして翌日。
いきなり男女の叫ぶ声。
外で男が女を殴って押し倒している。
引っ越してきた夫婦のようだ。
女は叫びわめいている。
そして、殴られた女は警察に電話している。
じきに警官がやってきて騒ぎは一旦収まったが、続々と警察車両らしき車が複数やってきた。
どうやら近所の方々複数が通報したらしい。
3時間ほどで騒ぎは収まり、男は連行されていった。
しかし、1時間ほどで男は刑事に連れられて帰ってきた。
刑事からは「ケンカしないでね」と言う声が聞こえた。
そしてその夜、再び騒ぎが…。
今度はなぜか救急車がやってきて、男が女に「いいから乗れよ!」と言われ、女は「やめて〜助けて〜」と騒いでいる。
この騒ぎで再び近所の方々が通報。
昼間の警官や刑事がやってきて、もう大騒ぎ。
時間と共に騒ぎは一段落したが、こんな状況で子どもたちを安心して通学させることができない。
これからは親と一緒の通学になった。
学校やPTAなどにも協力してもらって事態を理解してもらった。
この賃貸の管理会社にも訴え、早々に改善してもらうことを求め、それができなければ退去要請をすることも伝えた。
その後、警察に通報するようなことは今のところ無いが、背中に絵が描いてあるような柄の悪い男たちが日中ウロウロしたり、夜中に車のドアをバンバン閉めるような音は後を絶たない。
静かな街が、一気に治安の悪い街に一変してしまった。
一日も早く退去して欲しいが、仮に退去したとしても、賃貸なのだからまた同じような非常識な人が来るかも知れない。
これからこんな事と付き合っていかなければならないのか。
せっかく静かに暮らしていたのに、どうして賃貸なんか建ててしまったのか。
まだ20年以上も住宅ローンは残っているのに。
借り主だけで無く家主をも恨めしく思う。

確かに賃貸が多い住宅街は、マナーが良くないところも少なくない。
我が家の近くにある公営住宅の周辺では、まともじゃなさそうな若者たちがたむろっているのを夜見かけることがある。
だからといって、賃貸の家主を恨めしく思ったところで、何の解決にもならない。

現実的なことを言えば、静かな環境を求めて探し当てた土地が、欠陥環境に変わることを想定できなかったわけだ。
土地を探すというのは、現況だけでは無く将来も見据えて検討する必要があるという手本のような話しだ。
適確なアドバイスはできないが、これから土地を探そうと思っている人は、こういった「欠陥環境」うことも十分考えて土地探しをして欲しいものだ。

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