商品を作って販売する各メーカーは、新製品の開発に莫大な費用と時間をかけて取り組みます。
販売するに至るまでに様々なプロセスを経て世に出されるわけです。
住宅メーカーも同様なわけですが、新聞に折り込まれるチラシや、書店で売られている住宅雑誌などを見ていると、新製品として発表している商品の多くがイラストやパースで展示掲載しているところがあります。
どうも、このイラストやパースのみというのがいささか気になります。
住宅をイラストで…、う〜ん、何のためらいもなく買えます?
わたしは買いません。
自動車メーカーの名のある車種がフルモデルチェンジして新たに世に出されるとなれば、同車種の旧モデルオーナーの中には、製品として世に出される前に注文することもあると聞きます。
高級車のオーナーにはそういう人が多いと聞きます。
しかしそれは、今までのメーカーに対する信頼や、その車種へのこだわりなど、限られた方がとる行動でしょう。
自動車は決して安い買い物ではありませんが、住宅は自動車より高い買い物です。
その高い住宅をイラストやパースだけで買ってもらおうと言う魂胆。
お客をなめています。
現場見学会の必要性
最近の住宅メーカーは住宅公園などのモデルハウスを見せるだけでなく、実際に建築をしている姿や、完成したときに「現場見学会」「完成見学会」と言って、実物を見せてくれるところがほとんどです。
モデルハウスだけでは実際の生活感を感じることはできない上、家具などの調度品も高級品を多用しているので感覚が麻痺してきます。
それに何しろ広いので、自分たちが建築しようと思っている面積と比較するとだいぶかけ離れてしまうのが実状です。
だからこそこの「現場見学会」は重要なのです。
新商品を発表後、いつまでもいつまでもイラストやパースで広告をしている住宅メーカーは、たぶん現場見学会を行っていないのでしょう。
だから実際の建物の写真を使って広告できないのだと思います。
あるいは全く売れていない。
または、最初に印刷したチラシが余りに余ってしまい処分に困っている?
その他諸々…。
くどいようですが、住宅は一生の中で最も高い買い物の一つ。
例えどんな理由であれ、イラストやパースだけで高い買い物をさせようとする住宅メーカーの魂胆は、良いこととは思えません。
当然新商品を開発した直後は、その建物で現場見学会などできるわけ無く、実物の写真を撮ることが出来ないのはごく当たり前。
受注していないのだから当然と言えば当然。
でも、住宅に新製品なんて必要なのか疑問。
洒落た横文字の商品名がついていたほうが良い?
そんなことよりも、住む人のライフスタイルと間取りプランがぴったりと合致していて、外観を彩る外壁メーカーなどの商品ラインナップやキッチンなどの備え付けのもののリストが明確であれば、それが一番でしょう。
耐震性や省エネルギーなど毎年のように省令が加わる現代においても、構造や工法などの基本は今までのものから大きく変わることは考えにくく、断熱性能などについても、断熱材メーカーは効率的なものをどんどん採用してので、住宅メーカーがどうのこうのではなく、施主である自分たちが勉強していくことが最重要ポイント。
商品名なんてどうだって良いこと。
住宅メーカーが新製品を発表するというのは、テレビコマーシャルしたり、広告出したりする際に、新しい情報を提供しないと注目してもらえないと言った売り手の一方的な考え方であり、買い手の本来の意図を無視しているとも言えるわけです。
住宅を製品と捉えるのではなく、技術とニーズの融合品であり、同じものはこの世に二つと無いのが一般的。
住宅メーカーの責務は、これら融合品を最適な環境の下で最新の技術にて提供していくことに尽きるわけです。
何も無理矢理イラストやパースだけで新商品を発表する必要は無い!と断言しちゃいます…。
どうでしょうか?