建築現場

建築現場の雨対策がキチンとできているかどうか必ずチェックする

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日本は春から夏に変わる時に「梅雨」のシーズンが到来し、夏から秋に変わる時に「台風」の到来がピークを迎えます。
家を建築中の方々は、建物が雨で湿ったりはしないかと心配になるはずです。

まだ外壁工事が終了していない工事現場では風の強い雨の日には注意が必要です。
梅雨の時期などは雨が多くても風がそれほど強くない時が多いので、工事現場に設置してある仮設足場に防水性のあるビニールシートをキチッと張っておけば、雨水が浸入することに神経質になる必要はありません。

風が強いと一筋縄ではいかない

ところが、風が強い時の雨、それも台風となると状況は一変。
台風は風が強く、足場に貼ったシートがセイル代わりになってしまって足場ごと飛ばされてしまった、と言う話を聞きます。
ですから台風の際は逆にシートを取り払い、風が通り抜けられるようにしなければなりません。
雨除けのシートがなくなることにより雨水が建物内に入ってきますから、床に防水シートを張って一時的にでも雨水が床に染みこまないようにし、極力木材が水分を吸収しないようにこまめにチェックする必要があります。

そうしないと建物が完成したあとに結露が著しく発生したり、壁にカビが生えてきたり、湿った木から出る色素で壁紙に色が浮き出てきたりして良いことはありません。
ひどい場合は数年のうちに構造材のたわみなど、大幅な狂いが生じる場合もあります。
雨の日にしかるべき対処をしなかったことが原因で、取り返しの付かない事態が起こるわけです。

風雨対策はどのメーカーでも万全なのか?

雨水の浸入を防ぐことができない台風や風が強い雨の場合は、現場監督がそれぞれ担当する工事現場をまめに廻ってチェックする必要があるのですが、一人の現場監督が常時抱えている工事現場数は想像以上に多く、またエリアも広いため、一日ですべての現場を廻りきることは難しいのです。
現場監督がすべての現場のチェックをすることができないので、そこに常駐している大工さんに任せることになるのですが、大工さんはとにかく雨が嫌いです。
「雨の日は休み」という大工さんも少なくありません。
台風だったらなおさらです。
したがって、雨の日、特に台風の日は、現場は空っぽになってしまうことが多いわけです。

じゃぁ、誰が雨対策をするんですか?

はい、誰も対応できませんので、雨ざらしのままです…。

ある大雨の日の話

施主
「すいません、うちの新築工事現場が雨ざらしになってしまっているんですが、大丈夫なんですか?」

住宅メーカー
「はい、大丈夫です。今日は風が強いためシートを張ると危険なので外しています。雨水は浸入しますが、明日浸入した雨水をしっかりと排出しますのでまったく問題ありません。」

施主
「でも木が雨水を吸い込んで、あとあと腐ったりしませんか?」

住宅メーカー
「大丈夫です。一度乾燥させた木ですから、雨に濡れて水を吸ってもすぐに乾燥しますし、家が完成するまでまだ2ヶ月以上ありますから、その間には十分に乾きます。あとで腐ったりすることはありません。」

施主
「そうですか、それなら良いのですが、ちょっと心配です…」

こんな話をしていました。
なんていい加減な話なのでしょう。
木材が水を吸い込めば、含水率が上がります。
含水率が高いと乾燥途中に割れや狂いが生じます。
完成するまで2ヶ月あるからって、濡れた木材だけをそのままにして乾かすわけではないでしょう。
その周りを仕上げなくてはいけないのだから、乾かしている暇はないはずです。
雨水をたっぷり吸った床下合板が乾燥しないうちに、上から仕上げの木製フロアを張れば、いずれそのフロアにカビが生えてくることでしょう。
口から出任せを言って言い逃れをしている無責任な社員のせいで、惨憺たる家になってしまうということです。
こんな事例を何軒も見てきました。

大丈夫なわけない

それにしても「一度乾燥させたものはすぐに乾燥する」という理論はどこから来るのでしょう?
住宅メーカーの社員は、どこかでこのようなことを学んでいるのでしょうか?
水分を含めば再び乾燥するまで時間がかかるのに、すぐに乾燥するなど、いったい誰から教わったのか…。
水分を必要以上に含んだ状態の木材、つまり十分に乾燥されていない木材を使って家を建てれば、木は腐り、カビが生える可能性が高いのに、『腐ることはありません』と断言する神経を疑います。
ましてや、最近の高気密高断熱住宅などは、外壁と内壁の間の湿気が抜けにくいので、水分を多く含んだ木材がその場所にあるととても厄介なことになります。

住宅メーカーやビルダーを数社に絞ったら、雨の日に工事現場に行って風雨対策をどう行っているか、必ず自分の目で見て確かめてください。
屋根工事はもちろんのこと、外壁工事やサッシ取り付け工事が終了していない工事現場が、どのような雨対策を行っているかを見極めてから建築をお願いしなくてはなりません。
工場であらかじめ建物を組み立てて、現場をたった一日で屋根まで仕上げてしまうような工法のメーカーは、風雨による被害が少ないと言えます。
それでも、真夏の雨の日に、窓を開けずに室内作業をするのは地獄です。
当然窓を開けるわけですから、そこから雨水は侵入します。
雨水が窓から浸入しても良いように、内部もしっかりシートを張るなどの水対策を行っているかどうか見てください。

雨の日の工事現場チェックは必須です。
お忘れなく。

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