住宅展示場には大きく分けると三つのタイプがあって、
- たくさんの住宅メーカーが建ち並ぶ『住宅公園タイプ』
- 一つのメーカーだけで運営している『モデルハウスタイプ』
- 展示場を持たずに建築中の工事現場や完成した引渡前の建物を期間限定で展示する『現場見学会タイプ』
などがある。
どのタイプも一長一短ではあるが、多くのメーカーはモデルハウスを持ちながら現場見学会をあわせて行っているようだ。
お客様が実際に注文した「生活するための空間」が見られるだけでなく、現場の衛生状況や近隣の配慮状況など、これから建築をお願いしようと思っている人には参考になるので、結構な人気のようである。
電飾飾りでヒラヒラ〜
一方住宅公園タイプのモデルハウスは、見た目はきれいで派手だが、やたらと飾り付けをしているメーカーがあって、あまり参考にならないことが多い。
実際に生活をするのに、電飾やら旗やらヒラヒラさせているわけがない。
クリスマスが近づくとやたら電飾で派手な家があちこちで見られるが、さすがに運動会でもないのに旗をヒラヒラさせている家は見たことがない。
外観に飾り付けを多用する住宅メーカーは、本来の建物外観の見栄えを差し置いて、飾り付けの演出で目立たせようと考えているのかもしれない。
せっかく外観は結構おしゃれなのに、派手な飾り付けのせいでその価値が薄れてしまっていることに気づかないのだろうか?
あるいは単にその展示場の責任者やその会社の経営陣が派手好きなのか?
そういうのは、派手にしなければお客は寄ってこないと勘違いしているのかも知れない。
粗品で集客をはかるメーカー
これはオープニングセールとかでもよく見られるのだが、展示場の前にテント小屋を作ってテーブルを置き、そこにクジやら景品やら風船やら山積みにして、
『あそこの展示場に行けばたくさんモノがもらえる』
と思わせて集客するわけだ。
人がたくさん集まれば、
『あそこの展示場には何かがある!』
と思って集客することができるのだが、店前のにぎやかさとは裏腹に展示場内はガラガラ。
忙しいのは店頭で大声を張り上げて呼び込みしているイベントコンパニオンだけ。
こんな方法で集客しても、本来の目的は住宅を購入してもらうことだから、粗品目当てで来た人に住宅購入を迫ってところで、まず契約に至ることは無いでしょうね。
それでも懲りずにこの方法で集客している住宅メーカーは、『数打ちゃ当たる』と言う考えなのでしょう。
そもそもお客集めのためだけにこのような催しをしている展示場は、 購買意欲の低い冷やかしレベルの客層を相手にすることが多く、購買意欲が高いお客はその派手さや賑やかさに愛想を尽かされ、敬遠されていることがわかっていないのだ。
粗品目当てで来る人は、それ以上の成果を得ることは出来ないのに、無駄な経費を使って人集めをし、その無駄な経費を住宅の価格に充てているわけですから、そんなところで住宅を購入すべきではないことは一目瞭然。
執拗に追い回されることが好きな人は別だが、それであってもばらまきの粗品代が住宅建設費に盛り込まれていると思えば、そこで家を建てたくないと思うのはごく自然な感覚。
飾りやモノで喜ぶのは子どもくらいのもの。
ま、喜んでもらえることは大切なことなのだろうが、本当に大切なのは中身。
派手に飾り付けたり、モノで釣ったりすればお客は来ると考え、外見にばかり気を取られているようなメーカーは、中身が空っぽかもしれない。
空っぽな会社に家を建ててもらうことは避けたほうが良いかもしれない。