住宅を構成する材料の点数は1万種類を超えます。
これらの材料の金額を正確に覚えていて、臨機応変に価格の表示ができる営業マンはそれほど多くないと思います。
単価の安い建材だって
たとえば石膏ボードひとつとってみても、サイズの違いや性能の違いによって価格がまちまちです。
安い物は300円くらいから高くなると1,500円くらいまでと、かなり幅があります。
たった一枚で1,200円も違うのですから、一つの家で200枚程度使うと考えても安い方では6万円、高くなると30万円。その価格差は24万円もあるわけです。
まさに『ピンからキリまで』です。
ヒノキの柱だったら?
『柱はヒノキを使ってほしいのですが、どのくらい金額がアップしますか?』
こんな質問に、
『ひとえにヒノキと言ってもピンからキリまであるので、いくらくらいアップするかは計算してみないと分からないですね』
こんな回答が返ってきたりします。
そんな答えを待ってない!
確かに、計算しないと詳細な金額は出せません。
そんなことはわかっています。
お客さんが知りたいのは、どのくらいの割合で値段が上がるか知りたいだけです。
問題なのは、その場しのぎでピンからキリまでという言葉を使うことにあるわけです。
せめて、無垢のヒノキ柱と一般的な杉の柱の一本単価くらいは伝え、どの程度の割合で金額が上昇するかの提示があって然るべきです。
住宅メーカーは住宅建築のプロであるとお客様は思っていますから、ピンからキリまでという返答を待ってはいません。
これでは、ヒノキの柱を使うことをあきらめて欲しいかのように思えてしまいます。
売る気が無いのか単なる無知なのか…
このように、『ピンからキリまで』という言葉をお客様に提示する住宅メーカーはいただけません。
上記のように具体的な説明をせずに、ただ単に『ピンからキリ』だけの回答では、お客様に適切な回答を差し上げたことになりません。
こういう住宅メーカーの大半は、営業マンに住宅建築に必要な材料の価格を勉強させていない、もしくは勉強しているのに興味が無く、知る必要も無いと思っているのでしょう。
売ってなんぼの営業マン。
知識は二の次と言ったところなのかも知れません。
知ったかぶりや適当な言い回しをするくらいなら、勉強不足を正直に詫びるぐらいのほうが、印象は良いかもしれません。