住宅を建てるためにはいくつかの工法があります。
RC、重量鉄骨、軽量鉄骨、プレハブ、ALC、木造等様々です。
それぞれ長所短所がありますが、その中で一番多く使われているのが木造住宅です。
木造住宅の中でも工法が分かれていて、軸組工法、軸組壁工法、軸組パネル工法、枠組壁工法等々、メーカーや機関などによって呼び名が違うものもありますが、要は在来工法とツーバイフォー工法に分けられます。
在来工法
在来工法は、柱と梁を主にした古くから伝わる工法で、間取りの自由度が高く、増改築などにも対応でき、広い開口部をつくることの出来る、いわば自在な工法といえます。
反面、大工の技術の差が住宅の完成度に表れやすいので、この工法を選択する際は、それなりに経験を積んだ大工さんに建ててもらうようにしないといけません。
ただし最近は工場であらかじめ材木の接合部などをコンピュータ制御でカットする『プレカット』された材料を使うようになったので、技術の差があっても住宅にはあまり差が出なくなったと言えます。
ツーバイフォー工法
ツーバイフォー工法は、アメリカ西部開拓時代がその発祥といわれ、比較的簡単に早く建物を建てることが出来、特別な技術を要さないので大工の技量に頼る必要が無く、品質が均一であり、壁と床と天井の面を主構造とするため、縦や横からの力に非常に強い工法といえます。
反面、壁を主要構造部にしているのでその面積の広さが重要になり、その結果一つの面に取り付けられる窓に制約があったり、屋根部分まで完成するのに3週間ほどかかってしまうため、その間雨が降れば家はびしょびしょになってしまったりします。
ただし最近は工場であらかじめパネル部分を製作して、一気に現場で屋根まで組み上げてしまうところが多くなってきました。
ですから5日ほどで屋根まで完成するようになったので、雨に濡れる心配が減ったと言えます。
いったん構造部が出来上がってしまえば、後は在来もツーバイフォーも同じです。
違うのは構造部のみです。厳密に言えば壁の厚さなどが違うので、断熱材やサッシ寸法などが変わってきますが、同じと言うことで勘弁ください。
見積書
住宅メーカーの中には在来工法とツーバイフォー工法の両方を取り扱っているところがあります。
大半の住宅メーカーはどちらかのみ扱っているのですが、両刀使いも増えてきています。
そういう住宅メーカーで注意しなくてはならないのは『見積書』です。
主要構造部が在来とツーバイフォーではまったく違います。
材木の種類も違いますし、数ももちろん違います。
大工の手間代だって違います。
このように、工法の違いは、主要構造部の金額の差につながるわけです。
工法が違うのに見積額に差が無い
ところが在来工法とツーバイフォー工法の両方の見積依頼をすると、どちらも構造部での金額の差がほとんど無い住宅メーカーがあるようです。
はっきり言って、あり得ません。
ひどいところになると、どちらの見積書を見ても『木工事一式○○万円』なんて平気で書いてあるところがあります。
こういう住宅メーカーはお客さんをなめているとしか言いようがありません。
『どうせ素人なんだから、この程度書いておけばいいや』
見積書を見てそのような記述があったら、その見積書は何の役にも立ちませんのですぐに他の住宅メーカーに見積依頼をしましょう。
あとで、『時間の無駄だった』と後悔すれば良いだけです。
時間の無駄遣い以外の被害はないでしょう。